テムズバレー商工会議所大阪訪問ー関係強化と事業継続の秘訣とは

25 August  2015

2014年10月、テムズバレー商工会議所(TVCC)と大阪商工会議所(OCCI) が業務提携覚書(MoU)に調印しました。この流れを止めずにさらなる関係強化をはかり、協働事業を進めてゆく秘訣とは―。

 

適切に相手を理解することの重要性 

 

過去2年以上に渡り、テムズバレー商工会議所(TVCC)と大阪商工会議所(OCCI)は信頼関係を強めてきました。MoUにも調印しましたが、まだまだ初期段階にあります。今この時点で私たちが大切にしているのは「適切な相互理解をする」ということです。

TVCC投資促進部長、ポール・ブリテンと私が今年6月末に大阪を訪問した際には、大阪商工会議所、近畿経済産業局、英国総領事館、大阪府、大阪市、都市開発研究所等、数多くの皆様にお目にかかる機会を得ました。

 

日本における「テムズバレー」の知名度は残念ながらほぼないに等しいほどです。そこで、この地域が一体英国のどこにあるのか、どのような産業が強いのか、産官学の連携がどうなっているのか、などをご説明。そこから大阪とテムズバレーの協業ビジネスの可能性についての議論が行われました。

その結果、打ち合わせの最後に「大阪とテムズバレーは産業構造や文化も似ている。きっとよいシナジーが生まれてビジネス機会に繋がると思う。」というご意見をいただくこともできました。

 

この訪問は、双方の理解を促進するのに非常に有用なものでした。ここで重要なのは、思い込みや聞きづてではない「適切な」理解がなされたという点です。日本と英国は地理的にも離れていることから、互いを思い込みで判断してしまったり、また互いを知らないが故にせっかくのビジネス機会をまだまだ逃してしまっているのが現状と感じています。これからも適切な相互理解を深める努力が必要です。

 

MOUは始まりにすぎない

 

MoUが調印された後、大阪商工会議所、テムズバレー商工会議所の皆様方と共に気を引き締めた言葉があります。「MoUという形にできたのは素晴らしい成果だ。しかしこれは始まりに過ぎない。MoUを単に書類で終わらせてはいけない。」

 

 展示会や大きなイベントが成功したものの、せっかくそこで得られた潜在ニーズが日常業務に追われるうちに次のステップに繋げられないまま終わってしまうといったことはよく見られます。それを防ぎ、異なる組織や部署が協働で着実に事業を進めるためには、特に次の三点が重要と考えています。

 

1. 双方における担当者を明確にする

2. 長期戦略および計画を立てる

3. フォローアップと情報交換を継続的に行う

 

テムズバレー商工会議所においてはJapan Deskが、また大阪商工会議所にはプロジェクト・コーディネーターが任命されました。両商工会議所とも国際活動が盛んで、特に北アメリカやアジア諸国との幅広い連携活動を行っています。その中でテムズバレーと大阪の協働事業だけにスポットライトが当たり続けることをただ期待するのことは、あまり現実的ではありません。必要な人と情報を的確なタイミングで集約すること、そしてその活動の進捗状況を見極めてゆくためには、明確な担当者の存在が非常に重要になります。

 

長期的な戦略と計画を立てるという点については、両商工会議所の間でまず向こう一年の計画を立てました。協働で行うイベントや視察・トレードミッションなどを2015年12月、2016年2月、4月、7月に設置。その中でも目玉となるイベントは2016年2月に大阪で開催されるグリーンテック・フォーラムです。大阪商工会議所がテムズバレーのクリーンテック/グリーンテック関連の企業5社を招聘。各社がプレゼンを行い、B2Bミーティングの機会も設けられる画期的なインベントとなります。

これらのイベント等に加え、継続的な活動も欠かせません。両商工会議所の情報交換はもちろんのこと、両商工会議所の会員企業や地方政府等に対しても定期的な情報発信をし、両地域の理解を深める工夫をしてゆきます。

 

今後の両地域の関係、そしてビジネスの行方を非常に楽しみにしています。